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買換え・交換の特例
2.特定の事業用資産の買換えの特例
事業用資産とは
◆自己の事業の用に供している場合
自分でその土地に建物を建てて、そこで商売をしている、又は事務所として利用している場合には、事業の用に供しているということになります。
◆事業的規模で貸付けている場合
土地や建物を貸付けている場合、所得税法では、その規模によって「事業」と事業にあたらない「業務」とに区分しています。事業的規模とは、収入状況や管理状況等、社会通念上事業と称するに至る程度の規模かどうかにより判定されますが、形式的にはアパートでおおむね10室、独立の貸家ならおおむね5棟以上といういわゆる「5棟10室基準」にて判断されます。したがって、5棟10室基準を満たしていれば原則として事業と判断されることとなります。
◆事業と称するには至らない不動産の貸付け
事業的規模に該当しない貸付けを業務に区分しますが、業務であっても
- 相当の対価を得ていること
- 継続的に貸付けを行っていること
の二つの条件を満たしていれば、「事業に準ずるもの」として、特例の適用が受けられます。
(注1)「相当の対価を得ている」とは減価償却費、固定資産税その他の経費を回収したあとにおいて、なお相当の利益を生ずるような対価を得ているかどうかにより判定します。
(注2)「継続的に貸付けを行っている」とは、その貸付けの契約時の現況において、貸付けが相当期間継続して行われることが予定されているかにより判断されます。その貸付けをした際にその対価を一時に受け、その後一切対価を受けていない場合には、継続的に対価を得ていることには当たりません。
Q10.青空駐車場は事業用資産か?適用要件
- 事業の用に供している土地等又は建物で一定のものを譲渡すること
- 譲渡した年の12月31日までに一定の買換資産を取得すること(原則)
- 買換資産を取得の日から1年以内に事業の用に供すること又は供する見込みであること
〈留意点〉
- 譲渡資産には、棚卸資産等は含まれない
- 事業の用には、前記「事業と称するには至らない不動産等の貸付け」が含まれる
譲渡資産と買換資産の範囲
(注1)適用期間は2026年(令和8年)3月31日までとなります。
(注2)買換資産の土地等の面積が、譲渡する土地等の面積の5倍を超えると、超える部分は特例の対象となりません。
(注3)土地等の面積が300m2未満であっても、建物部分については適用を受けることができます。
譲渡所得の金額の計算
A:譲渡収入金額
B:譲渡資産の取得費・譲渡費用の額
C:買換資産の取得価額
D:課税譲渡所得金額
※1 地域再生法の集中地域以外の地域から集中地域への買換えについて、課税の繰延割合が75%[東京都の特別区の区域への買換えの場合には70%]に引き下げになります。また2024年(令和6年)1月1日以後の、本店又は主たる事務所の所在地の移転を伴う買換えについての課税の繰延割合は、東京都の特別区の区域から地域再生法の集中地域以外の地域への買換えの場合は90%、地域再生法の集中地域以外の地域から東京都の特別区の区域への買換えの場合は60%となります。
※2 ※ 1 のいずれかに該当する場合には〔100% ー 繰延割合〕が課税割合となります。
買換資産の土地等の面積制限
買換資産として土地等を取得した場合、その土地等の面積が譲渡資産の土地等の面積の5倍を超えるときは、原則として、その5倍を超える部分の面積に対応する金額は買換資産に該当しないことになります。
買換資産の取得時期
事前届出
買換えによる譲渡と取得が同一年中(法人の場合は同一事業年度中)に行われる場合は、譲渡資産の譲渡日又は買換資産の取得日のいずれか早い日の属する3月期間※の末日の翌日以後2月以内に本特例の適用を受ける旨の「届出書」を納税地の所轄税務署長に届け出ることを要件とする。この改正は2024年(令和6年)4月1日以後に譲渡資産の譲渡をして同日以後に買換資産の取得をする場合の届出について適用する。
※3月期間とは事業年度開始の日以後3ヶ月ごとに区分した各期間で、個人事業の場合1/1〜3/31、4/1〜6/30、7/1〜9/30、10/1〜12/31の各期間となります。
- 企画・発行
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三井不動産リアルティ株式会社
東京都港区霞が関 3-2-5 霞が関ビルディング
https://www.mf-realty.jp/
- 監修
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東京シティ税理士事務所
税理士 山端 康幸
https://www.tokyocity.co.jp/