志田 祐輔
Yusuke Shida
経歴
2008
新築マンションの
営業に従事
2010
三井のリパークの
営業に異動
2017
三井のリパークの
管理部門にて
戦略企画に携わる
印象に残っている仕事
何としても守りたい、
代々受け継がれた
大切な財産を
「この場所で、本当にニーズが見込めるのか?!」……入社6年目、「三井のリパーク」の営業担当として、駐車場経営による土地活用のご提案をしていた私は上司から、こう問いかけられました。それは、郊外にお住まいのお客さまからご相談いただいた案件を担当した時のこと。私にとって、今でも忘れられない案件です。
そのお客さまは代々受け継がれてきた広大な土地をお持ちで、その土地を有効活用されたいとのことでしたが、実際に現地を訪問してみると、細い坂道が続く斜面の土地で周りは一面の畑。お客さまはマンションやアパート経営による土地活用をご検討されたそうですが、どの不動産会社からも周辺環境を理由に活用は難しいとの回答。「先祖から大切に受け継いできたこの土地を活用できなければ、私の代で手放してしまうことになるかもしれない」と大変お困りのご様子でした。私は何とかお客さまの力になりたいと、この土地での駐車場経営の提案を考え、上司に判断を仰ぎました。しかし、「お客さまの期待に応えたい志田の気持ちは分かるが、採算の取れない事業を無理に押し通してしまったら、結果的にお客さまにご迷惑をおかけすることになるんだぞ」と提案に難色を示されてしまったのです。
今思えば、それも当然のこと。駐車場の利用ニーズがなければ自社の投資を回収できず、何よりお客さまに土地活用による収益をお返しできない可能性もあるため、社内で厳格な審査が行われます。その審査に通るレベルに私の提案は全く達していませんでした。だから上司は私の提案を厳しく追及したのですが、その言葉が当時の私に火をつけたのです。『お客さまのために志田はどこまで考え抜いたのか?』と上司から言われた気がして、絶対にお客さまのお望みを叶えたいという思いを新たにした私は、もう一度、その土地の周辺をあらゆる可能性を考えながらくまなく歩き回って調査してみることにしました。
すると、当初は気づかなかった様々なニーズが見えてきたのです。実は近隣には戸建の造成予定地があり、新たな駐車場の利用者が生まれそうであること。また近所に保育園があり、親御さんが送迎する際の駐車場が不足していること。さらに、お客さまが営まれているレンタル菜園の利用者の方々から「車を駐車する場所がなくて困っている」という声も聞くことができました。これなら十分に勝算はある。そう確信した私は、同じチームのメンバーにも協力を仰ぎ、周辺のマーケットを徹底的に分析し、想定される利用者数や稼働率をもとに収益シミュレーションを組み立て直しました。そして再度自分が立てたプランを上司にぶつけたところ、「よくここまで調査したね。ニーズが見込めることもきちんと立証できている。志田が本当にこのお客さまのためにやりたいのなら、会社としてもチャレンジしてみよう」とGOサインを出してくれたのです。
すぐにお客さまのもとにお伺いして提案すると、「これで先祖からの土地を守ることができる」と涙を流されんばかりに喜んでいただきました。駐車場開設後は、お客さまご自身がレンタル菜園の利用者の方々に駐車場利用を勧めてくださったこともあり、駐車場経営は成功を収めました。
私が手がけたこの駐車場は、車通りが少なく、一見駐車場ニーズが少ないと思われる土地での貴重な成功事例となり、社内でも共有され、「三井のリパーク」の事業エリアを広げることにもつながりました。どんなに難しい課題であっても、お客さまのことを想い、プロとしてのプライドをもって諦めずに努力し続ければ、必ず答えは見つかる。この一件を通じてそれを実感し、私にとってかけがえのない経験となりました。
シェアリング事業の先進的な取組
技術×地道な努力、
現場からイノベーションを起こす
私は今、未来のクルマ社会を見据えて「三井のリパーク」でどのようなサービスを提供すべきかを考え、それを形にしていく新ビジネスの企画・開発を進めています。時代の変化に対応できなければ、どんなに大きな企業もこの先の成長は望めません。「三井のリパーク」も進化していかなければならない。テクノロジーの進歩にともない、駐車場事業で新しいサービスを生み出せる可能性はいくらでもあります。
例えばすでに「三井のリパーク」では、急速に進むキャッシュレス社会に対応して、電子マネーやクレジットカードなどのキャッシュレス決済専用の駐車場も開発しています。最近はクルマに対する考え方も「所有からシェアへ」と変化してきており、必要な時だけ利用できるカーシェアリングサービスは非常に有望な事業です。さらに「自動運転」にも注目しており、駐車場ビジネスが進むべき未来を模索していく必要があると考えています。例えば、無人のクルマが自動的に駐車スペースに停車して出口まで迎えに来てくれる仕組みを病院の駐車場で実現できれば、体の不自由な患者さんも楽に乗り降りができるようになります。
そのような新しいサービスを企画・開発する上で、私が強く意識していることは「現場感覚」と、「絶えず常識を疑うこと」。自分の眼で見て違和感を覚えたことや、お客さまやご利用者さまからの声をもとに、「こんなサービスが実現できないか」をとことん考える。会社の外にもアンテナを張り、新たにオープンした施設などを訪れ、どんな新しいサービスが提供されているかをリサーチして新事業のヒントを探す努力をする。現在、AI(人工知能)による自動運転技術を開発する企業ともコラボレーションしていますが、新しいことを学びながらひたすら検証を続け、トライ&エラーを繰り返すのは苦労も多いです。しかし、「この取り組みが社会の新しいインフラを創っているのだ」と思うと、どんな困難も乗り越えようとする力が湧いてくるのです。
世の中から「これは本当に素晴らしい」と認められるサービスをぜひここから生み出したい。当社は「三井のリパーク」としてお預かりしている全国約1万5000カ所の土地や、「三井のリハウス」の約280の店舗など、お客さまとつながる多種多様な拠点を持っています。こうした他社にはないリソースを活用し、不動産流通業界NO.1企業として不動産から未来の社会に求められる新しい価値を生み出していく。一社員としても、この恵まれた環境で自分のアイデアと先進技術をかけあわせて現場からイノベーションを起こしたいと思っています。
仕事で大切にしていること
どんな難題でも
逃げずに向き合う、
「三井」の責任と誇り
私はこれまで三井不動産リアルティで10年以上のキャリアを積み重ねてきました。この間、不動産というお客さまの大切な財産に関わり学んできたのは、どのような状況にも誠実に逃げずに向き合うことで、必ずお客さまや周りの人たちは応えてくださるということ。不動産仲介や土地活用に取り組む中では、予期せぬ出来事も起こります。例えば、駐車場による土地活用をご提案して実行に移していく上では、オーナーさまが安心して土地を当社に貸し出すことができるように、近隣にお住まいの方々へ事前に説明することも重要な仕事です。そこで肌で感じるのは、住民の方々が「三井」のブランドに対して期待する水準が非常に高いこと。駐車場ができることで地域の環境が変わらないよう、三井ならきちんと対応してくれるだろうと皆さま考えています。
その期待を絶対に裏切ってはいけないという思いで仕事に取り組んでいるものの、良かれと思ってとった私の行動が誤解を与えてしまうこともあります。結果、期待していた対応ではないとお叱りを受けることも。それまでいくら努力していようと、お叱りをいただいた時点で私の失敗です。言い訳はできません。しかし、私という人間の真価が本当に問われるのは、その後。失敗から逃げず、お叱りを真摯に受け止める。それを解決する魔法の言葉や近道などなく、ただ誠心誠意向き合って対話を重ね、納得いただける方法を探し出していくしかないのです。
お客さまのために誠心誠意取り組んでいれば、上司や先輩が必ずその姿を見てくれていて、「志田の努力は必ず相手に伝わるはずだよ」「何かあれば力になるから」とフォローしてくれ、どんなに大変でも立ち向かっていこうと勇気づけられるのです。そして誠実な思いは、いつかお客さまに届くと信じて私はお客さまと向き合ってきました。その積み重ねが、私を不動産のプロとして成長させてくれたように思います。これからも、私と関わるすべての方々に対して、「三井」の名にふさわしい責任と誇りをもって誠実に向き合っていく、その姿勢を何よりも大切にしていきたいと考えています。
OPEN
MOTIVATION
GRAPH
モチベーショングラフ
環境の変化とともに
新たなやりがいを
見つける
SCHEDULE
1日のスケジュール
9:00 | 出社。メールチェック、スケジュール確認 |
---|---|
9:30 | 始業。グループ会議 |
10:00 | 社外打ち合わせ |
11:30 | 社内相談事項 |
12:00 | 昼休憩 |
13:30 | 社外打ち合わせ |
15:00 | 社内ミーティング |
17:00 | 事務作業、資料作成 |
18:00 | 退社 |
PRIVATE
プライベートについて
休日も楽しみながら情報収集。
新しい社会に想いをめぐらせる。
休日は家族と話題の施設や、イベント会場に足を運ぶことが多いです。プライベートの時間を楽しみながら、仕事にも活かせる知見を広げようと意識しています。今は先進技術を駐車場に転用することを想定し、自身で新しい技術を体験する機会を増やすようにしています。先日もドライブがてら最新のクルマに関するイベントに出かけました。クルマ社会が更に進化すると、自動車や駐車場だけでなく、土地の概念や人々のライフスタイルもシフトしていくことでしょう。将来に想いを馳せると、子どもの頃のように胸が躍ります。
志田 祐輔
シェアリング事業本部
事業推進部
事業企画グループ